2023/01/21
皆さんは、サイトを運用する際、新規ドメインかサブドメインのどちらで運用すべきか悩んだことはありますでしょうか。あるいはサブドメインとサブディレクトリのどちらで展開しようか、それぞれの違いをしっかり把握してからサイトを立ち上げたいと考えている人も多いのではないでしょうか。また、SEO対策をする場合、サブドメインやサブディレクトリはどのような影響があるのかなど、SEOに関連して理解を深めることはサイトを運営するうえでとても大切なポイントです。
今回は、サブドメインやサブディレクトリがSEOにどのような効果をもたらすのか、それぞれの特性や役割から具体的な対策方法までご紹介します。
そもそもサブドメインとは何か、ドメインの概念からそれぞれ解説していきます。
ドメインとは、よく「インターネット上の住所」と説明されたりしますが、Webサイトがどこにあるかを判断する情報として使用されています。「本ドメイン」とも呼ばれ、普段よく見かける「.com」「.jp」「.net」など、URLの最後につくドメインを指します。ドメインには基本的にそれぞれ意味があり、「.com」は商業、商用、「.jp」は日本国内を指しています。必ずしも意味通りに使われているわけではなく、その意味通りに使う必要もありませんが、サイトのテーマやコンテンツに合わせたドメイン設定をすることでユーザーやサイト管理者にとって認識しやすくなります。
次に、サブドメインとは本ドメインに加えてオリジナルのドメイン名を冒頭に追加したドメインのことをいいます。
Googleを例に上げると、
・「本ドメイン」→https://www.google.com/
・「サブドメイン」→https://mail.google.co.jp
この「mail.」の部分がサブドメインにあたり、本ドメインの前に追加することでサブドメインを取得することができます。サブドメインは好きな文字を入れることが可能で、記事の内容やコンテンツに合わせた分かりやすい文字を追加するといいでしょう。
サブドメインは新規事業の立ち上げの際に使用したり、本ドメインのジャンル分けや用途別のサイトを作成する際に役立ちます。
一方で、サブディレクトリは、本ドメインの後ろに追加するドメインのことです。
・「本ドメイン」→https://www.google.com/
・「サブドメイン」→https://mail.google.co.jp
・「サブディレクトリ」→https://google.com/service/
この「service/」の部分がサブディレクトリにあたります。
サブディレクトリは主にカテゴリー別のページを分けるフォルダーの役割をすることが多く、本ドメインの中身を細かく分かりやすいように管理する際に役立ちます。設定の際は、サイト管理者にとって分かりやすい文字に設定することがおすすめです。
サブドメインは本ドメインを区分けしたもので本ドメインとは異なるジャンルのコンテンツを発信する際に用いるもの、一方でサブディレクトリは1つの本ドメイン内で階層構造をする際に利用されます。
Yahoo!を例に挙げると、このようなサブドメインが使われています。
・Yahoo!ショッピング→https://shopping.yahoo.co.jp/
・Yahoo!オークション→https://auctions.yahoo.co.jp/
・Yahoo!ニュース→https://news.yahoo.co.jp/
サブドメインは1つのドメインとして独立したWebサイトになるのに対して、サブディレクトリは1つのWebサイト内で使用されるというわけです。
では、サブドメインはSEOとどのような関係性があるのでしょうか。
SEOでは本ドメインとサブドメインは別サイトとして扱われ、サブドメインは独立したサイトとして認識されることになるため、直接的な効果は受けにくくなります。しかし全くSEO効果がないというわけではありません。仮に新規サイトを作成するとなった場合、新規ドメインで展開すると、ドメインの評価はゼロからのスタートになり、Googleなどの検索エンジンにインデックスされる速度が遅くなるなどSEO観点からもデメリットがありますが、サブドメインを使って運用する場合、本ドメインの評価を引き継げることができるため有利な状態から始められるといったメリットがあります。
また、Googleなどの検索エンジンはサイトの一貫性を重要視しているため、サブドメインを活用することにより、サイト全体の一貫性を保つことができ、結果的にSEO対策に繋がっていきます。
ここではサブドメインを設定する上でのメリットをまとめてご紹介します。
サブドメインは別サイトとして扱われますが、Googleサーチコンソール上ではサブドメインは内部リンクとして認証されるため、活用することで本ドメインのSEO対策を上げる効果が期待できます。また、SEO効果が少しでもある場合、本ドメインの影響を引き継ぐことができるので、新規ドメインでサイトを作るよりかはサブドメインを使ってサイトを運用した方がSEO効果が期待できます。
コストをおさえられる点もメリットの1つです。実際、新規ドメインを購入するとなるとその分のお金がかかってしまいますが、サブドメインであれば、取得費用や維持費・管理費を抑えることができます。
本ドメインの評価が悪いと、サブドメインの評価も落ちてしまう場合があります。本ドメインがしっかりと機能していないままサブドメインを展開してしまうと逆にマイナス効果になってしまう場合があるため、SEO対策の点で考慮すると本ドメインの育成を優先することがおすすめです。
SEO対策では質のよいコンテンツ発信が求められます。サブドメインだからといってサイト運用を怠るのではなく、より定期的にサイトを運用し質の良いコンテンツに仕上げていくことがポイントになります。また、新規事業の展開や別ブランドを構築をする場合、テーマやジャンル分けを正しく行い、それらのコンセプトに沿ったWebサイトを運用していく必要があります。そのため、基盤となる本ドメインの育成もSEO対策では重要なポイントです。
では、反対にサブディレクトリはSEOとどのような関係性があるのでしょうか。
サブディレクトリは本ドメイン内で役割を果たすため、サブドメインとは反対に本ドメインに直接影響を与えます。そのためSEO対策では高い相互効果が期待できます。本ドメインのドメインパワーが弱い場合はサブディレクトリを活用して「被リンク」の獲得などの対策を行い、サイトの運用をしていくことで、本ドメインのSEO効果を高めることができます。
サブディレクトリは本ドメイン内のドメインになるため、サブディレクトリで受けたドメイン効果は本ドメインにも影響され、より効率的に相互効果を出すことが期待できます。同じテーマのサイトを増やせることもメリットの1つです。
インデックスはコンテンツの量に関係しており、インデックス数を増加することはSEO観点からも必要なポイントになります。インデックス数が多ければ多いほど、それだけ検索エンジンに認識される数が増えるため、結果的に検索ユーザーにサイトを訪れてもらう機会が増え、ユーザーからのクリック率や流入数の増加が期待できます。
サブディレクトリは本ドメインのドメインパワーを直接受けることになるため、本ドメインのドメインパワーが高ければ問題ないのですが、低いとその影響も受けることになり、サイト自体の対策や見直しをしっかりと行わないと逆効果になってしまう場合があります。
サブディレクトリは本ドメインと直接繋がっているので、PDCAサイクルを回しやすく、サイト運用者のリソースが限られている場合や、本ドメインのSEO効果が低い場合(特にサイト立ち上げ直後など)にサブディレクトリの運用がおすすめです。
サブディレクトリのSEO対策の注意点として、ページ数を増やせることがメリットの半面、コンテンツの重複によるSEO効果の低下が挙げられます。コンテンツを増やせるのはいいのですが、その内容や情報が重複すると検索エンジンがスパム扱いとして認識する場合があり、サイトの評価が下がってしまう場合があるためSEO効果にも影響します。サブディレクトリを使ってサイトの展開を行う場合は、しっかりと内容を整理したうえで作成することが大切です。
サブドメインやサブディレクトリではそれぞれ役割が異なります。SEO対策も自社の対策すべき箇所は違ってくるため、それぞれの目的に合わせて使い分けていきましょう。コンテンツの重複によるSEO効果の低下が気になる場合は、全く違うテーマでサイト作成する場合はサブドメインを使って運用するなど、用途ごとに使い分けることでより効果的SEO対策が見込めます。
SEOに関してはどちらが有利というのはありません。それぞれのメリットを活かした活用がSEO対策に繋がっていきます。
SEO対策ではドメインパワーが関係してくるのですが、ドメインパワーとはその名の通りドメインの強弱を表すもので、そのサイトがどれぐらいの信憑性があるかを示す情報源になります。ドメインパワーが強ければ強いほど検索エンジンに評価されやすくインデックスされやすくなったり、検索画面の上位表示に繋がります。
ドメインパワーを強化するには、質の高い「被リンク」の獲得やコンテンツの質の向上、サイトの運営状況(更新度が高いか)などさまざまな対策方法があります。
ドメインパワーに関してはこちらの記事を参考にしてください。
ドメインは、直接SEOに関係しているわけではないため、SEO対策を考えてドメインを決める必要はありません。それよりも、ユーザーにとって分かりやすく誰にでも認知しやすいようなドメイン設定を心がけるといいでしょう。シンプルなドメインであれば、ユーザーからの認知度の向上や入力ミスの削減、サイト管理者にとっても管理しやすくなるなどのメリットがあります。
今回はサブドメインとSEOの関係性についてご紹介しました。関連したワードからサブディレクトリとの違いやそれぞれの使い分け方法についてもご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。サブドメインは基本的にはサイトのジャンル分けとしての役割をしており、サブディレクトリは本ドメイン内の細分化をする役割をしています。両者の違いを把握したうえで用途によって使い分けながらSEO対策に役立ててください。