2024/04/04
SEO対策を行う上では、Googleサーチコンソールと並んで必須ともいえるツールが「Googleアナリティクス(GA4)」です。
SEO担当者やweb担当者なら、誰でも一度は利用したことがあるのではないでしょうか。
本記事では、Googleアナリティクス(GA4)のSEO活用方法を初心者から上級者まで分けて解説します。
目次
Googleアナリティクス(GA4)とは、Googleが提供しているアクセス解析ツールであり、webサイトにタグを埋め込むことで誰でも無料で使用できるツールです。
webサイトにアクセスがあった回数やユーザーの属性、コンバージョン数などが確認でき、SEO対策にとっての必須ツールとして広く利用されています。
Googleアナリティクスの最新版は「GA4」と呼ばれており、1つ前のモデル「UA(ユニバーサルアナリティクス)」からさまざまな点で進化しています。
どういった点で異なるのか、簡単にまとめてみます。
GA4 | UA | |
測定軸 | ユーザー | ページ・セッション |
計測方法 | イベントを中心に計測 | セッションを中心に計測 |
セッションの長さ | 最後のイベント発生時間 | 最後のページ表示時間 |
セッションの最長時間 | 無制限 | 24時間 |
流入元が変わったセッション | 新しいセッションにならない | 新しいセッションになる |
日をまたいだセッション | 別のセッションにならない | 別のセッションになる |
このように、GA4とUAでは測定軸や計測方法のシステムが異なっており、セッションに関する扱いも異なっています。
今までUAに慣れ親しんでいた人からすると、GA4にバージョンアップしたことでかなり仕様が変わったため、GA4はとっつきにくいイメージがあるかもしれません。
しかし、GA4では後述するようにSEO対策に便利な機能が盛り沢山なので、ぜひ使いこなしてみましょう。
Googleが提供しているSEOツールとしてもう1つ有名なのが、Googleサーチコンソールです。
それぞれの違いは以下の通りです。
Googleアナリティクス(GA4) | Googleサーチコンソール | |
使用目的 | webサイトにアクセスしたユーザーの動きを計測 | 検索キーワードの順位や表示回数の分析 |
主な機能 | PVの測定CVの測定ユーザー行動の分析 | 検索順位の計測表示回数の計測インデックス申請 |
リアルタイム計測 | 可能 | 不可能 |
このように、Googleサーチコンソールではwebサイトにアクセスした段階での情報を分析する際に用いられる一方で、Googleアナリティクス(GA4)ではwebサイトにアクセスした後のユーザー行動を分析するツールとなっています。
SEO対策を行う上ではいずれも重要なため、どちらか片方のツールを使用するのではなく、両者を組み合わせてSEOに活かしていきましょう。
Googleサーチコンソールについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
まずは、初心者の方に向けてGoogleアナリティクス(GA4)の代表的な機能を4つ紹介します。
Googleアナリティクス(GA4)では、Googleサーチコンソールとは異なり、リアルタイムの各種データが確認できます。
直近30分間で何人のユーザーがどの地域から、どのページにどれくらいアクセスしてどういった行動を行ったか、という指標が確認可能です。
SEO対策を行った結果を即日で確認したい場合や、サイトのリニューアルや改修でwebサイトが大きく変わったタイミングなどは、リアルタイムの状況を確認しサイトの改善状況を観測しましょう。
webサイトにアクセスしたユーザーがどういったユーザーなのか、その情報を確認できます。
確認できるユーザー属性としては、どの国や地域からのアクセスなのか、どういったデバイスからアクセスしているのか、表示しているブラウザは何かといった詳細な情報までもが確認可能です。
エリアに特化したサイトの場合、ターゲットのユーザーがアクセスしてくれているかを実際に確認できますし、スマホユーザーやPCユーザーに特化したサイトの場合は、それぞれの割合を確認することで、ターゲットに正しくリーチできているか判断することができるでしょう。
また、サイトに訪れたユーザーが自然検索流入なのか、ダイレクト流入なのか、広告による流入なのかまで分析可能です。
SEOに力を入れている場合、自然検索流入を指す「Organic Search」の値を確認することでSEO流入についてどれくらいのアクセスがあるのか確認できます。
エンゲージメントとは、サイトにアクセスしたユーザーがどういった行動をとったのかが詳細に確認できます。
どのページにどれくらいのアクセスがあったのか、どのページでPVが発生したのか、どういったコンバージョンが発生したのかなど、webに関するありとあらゆるエンゲージメントが計測可能です。
また、過去13カ月間のデータも保持されているため、昨年同月比でエンゲージメントを比較したり、前月比でアクセス数を比較したりといったことも容易に行えます。
また、流入元でフィルターをかけてページのエンゲージメントを確認することもできるので、SEO流入の多いページや広告流入の多いページなども判別できます。
これはECサイトなど、webサイト経由で売り上げが発生するサイトに限った機能なのですが、どれくらいの収益が発生したのかという情報も確認できます。
一定期間の合計収益額はもちろん、購入したユーザーの総数や1ユーザーあたりの平均購入額、初回購入ユーザー数などさまざまな情報が分析可能です。
また、購入者に対して流入元のフィルターも適用できるため、自然検索流入でどれくらいの売り上げが発生したかというSEOによる影響も実数値として確認ができます。
ECサイトやwebサイト経由で収益が発生するサイトの運営者は、収益情報も確認した上で分析してみましょう。
SEOだけではなく、webマーケティング全体に活用できる情報が分析できるでしょう。
上記で紹介した機能は一通り理解していて、日々の業務でもGoogleアナリティクス(GA4)を使用している中級者に向けて4つの機能を紹介します。
webサイト経由での問い合わせ数や、資料のダウンロードなどのコンバージョン(成約)を計測することができます。
仕組みとしては簡単で、申し込みフォームや問い合わせフォーム入力後に表示される、サンクスページと言われるページのURLをカウントしてどれくらいコンバージョンが発生したのかを測定しています。
SEO対策を行う上ではコンバージョンも非常に重要です。
例え、複数のキーワードで上位表示できたとしても実際の売り上げやサービス利用につながらなくては意味がありません。
そういった意味では、コンバージョンの計測や分析は非常に大切であり、SEO対策においてこの機能は必要不可欠といえるでしょう。
webサイトにアクセスしたユーザーが初回の訪問なのか、2回目以降の訪問なのかといった分析や一人当たりのアクセス時間の平均といった維持率に関する指標が確認できます。
少ないユーザー数出会っても維持率が高ければ価値の高いサイトといえますし、逆にアクセスが多かったとしても数秒で直帰されてしまうサイトでは価値の高いサイトとはいえないでしょう。
SEOにおいても、維持率が高くサイト内の回遊率が高いwebサイトの方が評価を受けやすく、上位表示されやすくなるため、維持率の分析も非常に大切です。
webページのアクセス数に該当するセッション数や何ページみられたかというPV数の分析も可能です。
SEO流入にフィルターをかけることで、どのページが最もアクセスされているのか、注力しているページにしっかりとアクセスがあるのか、特定記事のPV数がどれくらい発生しているのかなどが分析でき、SEO対策に活かせるでしょう。
ランディングページとは、ユーザーがwebサイトの中で一番最初に表示したページを指します。
通常、トップページが最も多いイメージがありますが、コラム記事などでSEO対策を行っている場合、ランディングページとしてはコラム記事のアクセスが多いケースもあります。
最初に訪問されやすいページがわかれば、そのページ内に他のページへの導線を用意することで回遊率の高いwebサイトが作れるでしょう。
SEO上級者でGoogleアナリティクス(GA4)を使いこなせる人に向けて3つの機能をご紹介します。
Googleアナリティクス(GA4)には、UA似なかった機能で「探索機能」というものが存在します。
セッション数やPV、コンバージョンなどの基本的な情報はレポートで確認できるのですが、探索機能を活用することで自分が見たいデータを自由に分析することができるのです。
表形式でレポートを作成したい場合などに、横軸や縦軸の値を自由に設定でき、期間の設定もできるため、代理店のSEO担当の方はクライアントに向けたレポートの作成にも活用できるでしょう。
自由度がかなり高いため使いこなすことも難しいですが、この機能が活用できればSEO対策のレベルが数段上がります。
こちらも探索機能の一種なのですが、webサイトに訪問したユーザーがどのページに最初に訪れて、その後どのページを辿ってどこで離脱したのかといったサイト内経路が確認できます。
webサイトを設計する際は、想定したユーザーの流れを意識すると思うのですが、実際のユーザーの経路を確認することで想定通りに回遊してくれているかが確認可能です。
想定した通りに回遊していない場合は、導線を確認し改善していきましょう。
また、コンバージョンに至ったユーザーがサイト内のどのページを回遊していったのかといったこともわかるため、コンバージョンに至ったユーザーが多く見ているページなどがあればそのページのSEOを強化することでより多くのコンバージョンが達成されるはずです。
実は、Googleサーチコンソールとも連携することができます。
Googleアナリティクス(GA4)では、サイトに訪問した後のデータしか基本的には分析できませんが、Googleサーチコンソールと連携することで、サイトにアクセスする前の情報も組み合わせて分析できるようになります。
どういったキーワードで流入したユーザーがどのページにアクセスし、どういった行動をとったのか分析することで、webサイトのSEOを最適化していけるでしょう。
SEO対策を行う場合、基本的にはGoogleサーチコンソールとGoogleアナリティクス(GA4)の2つは必須で活用しますが、連携することでGoogleアナリティクス(GA4)の中だけで完結させることもできます。
Googleアナリティクス(GA4)でできることを簡単にまとめてみます。
対象者 | できること |
初心者 | リアルタイムのデータ計測ユーザー属性の確認エンゲージメントの計測 |
中級者 | コンバージョンの計測ユーザー維持率の測定セッション数やPV数の計測 |
上級者 | 探索機能サイト内経路の確認Googleサーチコンソールとの連携 |
Googleアナリティクス(GA4)は、Googleサーチコンソールと並んでSEO対策を行う上では必須のツールといえます。
webサイトに訪問したユーザーの行動を細かく分析することで、webサイトの最適化、サイト全体の売り上げ強化にもつながるため、SEO対策に限らずwebマーケティング全体に活かすことができるでしょう。