2024/05/03
SEO対策が重要な役割を果たすことは、このネット社会では、すでに知られていることです。
中でも運営サイト全体の評価を外部から得るための施策である外部対策は、初心者にとって難易度が高く、その効果とリスクは大きなものがあります。
そこで今回は、SEOの施策のひとつである外部対策について、具体的な項目を挙げて解説することにします。
目次
SEOの主要な施策のひとつである外部対策は、ウェブサイトの信頼性と権威を向上させるため、
の獲得を目的とします。
これらの対策は、一度、実行すれば終わりというものではなく、戦略の立案から運用、管理まで一連の流れを理解し、検索エンジンのアルゴリズム更新に合わせて持続的に行うことが重要です。
本記事では、被リンク獲得方法として7つ、次にサイテーション獲得方法を4つ、それぞれ解説することにします。
質の高い被リンクが集まっているウェブサイトは、情報源として信頼できると考えられています。
また、サイテーションに関しても同様で、そのウェブサイト自体の信頼性と権威性を示す証となり、結果的に検索エンジンの評価向上に貢献する指標です。
被リンクやサイテーションの量と質が高いレベルであれば、検索ランキングにも好影響を及ぼし、新たなユーザーの増加に繋がる可能性が広がります。
重要性がわかったところで、そもそも質の高いリンクやサイテーションとは、どういうことなのかを改めて述べることにします。
「Googleが掲げる10の事実」によれば、リンクは「投票」と解釈され、その数と質はウェブサイトの評価を決定する重要な指標なのは明らかです。
参照:Google が掲げる 10 の事実 – Google
リンクの量だけでなく、質も重視する必要がありますが、質の高いリンクとは、
などを指します。
リンクは自然増を期待するとしても非常に難しく、やはり戦略は必要です。
サイテーションとは、ウェブサイトの独自情報(例.会社名、住所、電話番号、ブランド、屋号など)が他のサイトで表示されている状況を指します。
一種の信頼的バックリンクとも言えますが、直接リンクがなくても評価対象となる点が異なります。
サイテーションの評価指標として重要なのは、
などが挙げられます。
なお、サイテーションの獲得にも、ある程度の戦略をもって実行することが重要です。
被リンクを獲得する実践的な方法として、本記事では以下の7つを挙げておきます。
1.優良コンテンツの公開
2.署名入り記事の寄稿
3.協力企業への掲載依頼
4.ホワイトペーパーの活用
5.プレスリリースの活用
6.ソーシャルブックマーク登録
7.イベント参加
各項目ごとにノウハウやポイントがあるため、具体的な内容については、順次、解説することにします。
優良なコンテンツを作成し公開することは、被リンク獲得においては最も重要です。
他のサイトから参照または引用されるよう、質の高いコンテンツを継続的に生み出すことで、リンクを得る機会を増やすことができます。
当然ながら、記事のテーマや視点を工夫し、読者にとって価値のある情報を提供することが求められます。
また、自社のコンテンツが他のメディアでの比較記事などで取り上げられることも、被リンク獲得に繋がります。
例えば、業界のポータルサイトや取引のある企業に対して、コンテンツを取り上げてもらうために必要な素材または記事を提供し、お互いのウェブサイトをリンクで繋ぐといった企画の提案も、リンク獲得手段のひとつとして有効です。
専門知識や意見を共有し、同時に被リンクを獲得する効果的な方法です。
特に業界団体運営のポータルサイトなどでは、寄稿した内容に興味を持つ可能性のある人が多く含まれているため、被リンクの獲得だけでなく、訪問者流入にも貢献します。
署名自体も固有情報(社名、名前、ブランド、屋号など)を含めたリンクのため、サイテーションの向上にも繋がります。
記事の作成が社内での内製化が難しい場合は、ライターに依頼することで時間短縮と一定の品質を担保することが可能です。
自社製品の使用例、事例、顧客の声といった形で、自社ウェブサイトへのリンクを含む記事を、取引先のウェブサイトに掲載してもらうというものです。
例えば、取引先に対して自社製品導入での改善事例を記事にまとめてもらい、記事中に自社ウェブサイトへのリンクを含め、そのリンク先は製品の詳細情報、無料でのお試しオファー、キャンペーンなどを展開します。
必然的に関連性も高く、取引先との良好な関係を築いていることの証明にもなるため、被リンクの獲得以上にメリットはあります。
業界ポータルサイトへのホワイトペーパー掲載は、非常に効果的な被リンク獲得方法の一つです。
ホワイトペーパーが価値あるものとの口コミが広がれば、さらに他のウェブサイトからリンクされる機会が増えます。
ただし、ホワイトペーパーの作成は簡単なことではなく、専門的な知識と洞察、作成のための時間と労力が求められます。
また掲載先によってはnofollowタグが付与され、検索エンジンのアルゴリズム上ではリンクとカウントされないこともありますが、リード獲得という目的の面では有効です。
ホワイトペーパーは被リンクとリード獲得に貢献します。
プレスリリースの活用も被リンク獲得の有効な手法のひとつです。
企業や個人が自身の製品やサービス、イベントなどの情報を掲載する広報活動ですが、広く情報を告知できると同時に、被リンクの獲得も可能になります。
ただし、一部のプレスリリースサイトでは有料掲載が主流となっており、その場合は費用対効果を慎重に考える必要があります。
対象サイトの訪問者数、掲載料金などを事前に評価して効果予測をたて、掲載後もアクセス解析ツールを活用して、どれだけの被リンク獲得やサイト訪問者の増加が見られたか、定期的なチェックが求められます。
はてなブックマークは、国内でも有数のソーシャルブックマークです。
シェアボタンを自社サイトに設置することで、訪問者がその場で記事をブックマークするしくみを利用します。
訪問者のブックマークが他の利用者に共有されると、被リンクの増加と同じ効果を生みます。
自らアカウントを作成して、ブログ投稿や自社コンテンツをブックマークするといった自助努力も可能です。
業界団体が主催するイベントなどに参加・協賛というカタチで、PRサイトにURLを掲載できれば被リンク効果は得られます。
ただし、イベントを利用したリンク獲得は一時的なものであることが多く、終了後にはウェブサイト自体が削除されるリスクを前提としなければなりません。
また、イベントの種類や規模、業界団体の信頼性などによって、リンクの価値が変動することもありますが、そのためにだけに選り好みすることは避けたいところです。
被リンクの獲得はあくまでも副産物であり、イベントの目的は製品やサービスの告知、リードの獲得、さらには新たな販路や取引先の獲得が目的となります。
サイテーションを獲得する実践的な方法として、本記事では以下の4つを挙げておきます。
1.Googleビジネスプロフィール登録
2.SNSの運用
3.オウンドメディアの運用
4.コミュニティへの参画(オンラインサロン、Q&Aサイトでの回答者など)
各項目ごとにノウハウやポイントがあるため、具体的な内容については、順次、解説することにします。
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップで自社情報などを表示するための無料ツールです。
このツールを利用して正確に、そして一貫性を持って情報提供することで、Googleは登録している内容を信頼性のあるものと認識します。
情報の一貫性や信頼性については、特にNAP(名前、住所、電話番号)情報が重視され、GoogleはNAPの一貫性をもって信頼性を判断すると考えてよいです。
また、営業時間や特色、写真やビデオ、顧客からのレビューなど詳細を追加することで、オンラインでの視認性を高め、結果的にサイテーションを向上させることにつながります。
X、Instagram、TikTok、Facebookなどのプラットフォームは、ターゲットとなる顧客層に直接、認知や告知に関するアプローチに有効です。
Xは情報の速報性と拡散力が強みで、新製品の発売やイベントの告知などに適しています。
一方、Instagramはビジュアル重視のコンテンツが特徴で、商品の魅力を伝えるのに有効です。
ここで考慮すべきは、総務省のデータからX、Instagram、TikTokの各利用者については、年齢層が比較的若く、ビジネスの業種によっては見せ方や伝え方に腐心する可能性も伺えます。
参照:総務省|情報通信政策研究所|情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査
その場合は、ショート動画も含めて、LINEやYouTubeでの展開が望ましいケースもあるため、十分に社内やグループで議論を重ねて方向性などを決めるようにします。
なお、Facebookはユーザー層が幅広く、詳細な情報の提供やコミュニティ形成がメインです。
SNS運用は、定期的な投稿やユーザーとのコミュニケーション、適切なハッシュタグの使用などが重要ですが、時間と労力を要します。
ただし、その効果は大きく、サイテーション獲得手段には欠かせません。
オウンドメディアがサイテーションの獲得における重要性と役割について解説
オウンドメディアを適切に運用することで、サイテーション獲得の機会が増えます。
サイテーションの獲得には、高品質でオリジナリティあふれるコンテンツを作成することが基本です。
その上で、他のウェブサイトやSNSで積極的に共有し、引用を促すことが基本的な活動となります。
また、関連性の高い他のウェブサイトとの相互リンクやパートナーシップを結ぶことも、サイテーション獲得の良い機会と言えます。
オウンドメディアの運用は、長期的な計画と戦略を立て、適切なリソースを投入することが重要です。
コミュニティへの参画は、サイテーション獲得以外にもブランドや個人の認知度を高め、信頼性を構築する有効な方法です。
いくつか方法はありますが、オンラインサロンであれば、特定のニッチまたは興味に焦点を当てた専門的なコミュニティを形成し、そこで専門家として価値ある情報を提供すると、他の参加者からのリンクや引用を獲得するチャンスが増えます。
Q&Aサイトを利用するならば、ユーザーからの質問に回答することで、ウェブサイトやブログへのリンクを貼る機会があれば、サイテーションを獲得する可能性が広がります。
ただし、コミュニティはあくまでも、
といった目的が多く、いわゆるビジネスライクな参画だと、敬遠されることにもなり兼ねません。
サイテーションの獲得は副産物と考えての取り組みがおすすめです。
SEOの外部対策は、被リンクやサイテーションの獲得だけでなく、その管理も必要です。
リンク先のURL変更、ウェブページ削除などを想定して、リンクチェックは定期的に行うことをおすすめします。
ウェブサイトをWordPressで運用している場合は、「Broken Link Checker」というプラグインをインストールして有効化すると、自動的にリンク切れの検出と通知してくれるので、リンクの管理が格段に楽になります。
SNSでの評判(口コミ)についてもリンクと同様に、ネガティブな評価や偽の評価も存在しますので、それらのチェックと対応に備えることも必要です。
外部対策の主な施策である、
の方法について、いくつかピックアップしています。
外部対策は、一度きりのものではなく、継続的かつ戦略的な取り組みが求められます。
かつてのように、リンクのためのウェブサイトを量産して数を稼ぐという手法は全く通用せず、意味のあるリンクを獲得することが必要です。
そのためには、本文でお伝えした作業項目の地道な実行が、遠回りのようですが、ウェブサイトの評価向上の近道となります。
ぜひ参考にしてください。