2022/03/21
SEO対策をしていく上で多くの人がぶち当たる壁の1つに、「ドメインパワー」があります。どれだけ記事の品質にこだわっても、競合のサイトが上位表示される、そもそも検索結果の1ページ目に表示されない、といった現象が起こる場合、サイトのドメインパワーで競合に負けている可能性が高いです。しかし、今はドメインパワーが負けていても、今後の工夫次第で競合に勝てる可能性は十分あります。この記事では、少しでも勝てる可能性を広げられるよう、ドメインパワーの基礎から工夫の仕方まで紹介します。SEO対策で悩んでいる人必見です。
まず最初に、ドメインパワーの基礎を押さえましょう。
ドメインパワーとは、各WEBサイトが持つ影響力のことです。Googleの検索エンジンにどの程度評価されているかを表す指標、と言った方がわかりやすいかもしれません。このドメインパワーという指標、実はGoogleが公式で定めたものではありません。SEO対策をする上で競合との差を明確に把握するために、seomozやahrefsなどが専用ツール上で表示する点数を総称して、ドメインパワーと呼ばれています。この点数は0~100の間で表され、数値が高いほどドメインパワーは高くなります。
ドメインパワーには、いくつか特徴があります。
まず、ドメインパワーとドメインに直接の影響関係はないようです。つまり、サイトがどのようなドメインであろうと、Googleの検索エンジンから受ける評価に直接の影響はない、ということです。ではどんなドメインにしてもいいかというと、そういうわけでもありません。ユーザーにとってわかりやすいドメイン、例えばコンテンツのキーワードがドメインに入っている場合などは、ユーザーに対するパフォーマンスが高くなるため、ユーザーの流入が増え、その流入数をGoogleが評価することは十分あり得ます。ドメイン名はドメインパワーに間接的な影響を与えるようです。
次に、ドメイン名を変更するとドメインパワーが一時的に変化するようです。これは、ドメインを変更した際、旧来のドメインから新規のドメインにドメイン評価が引き継がれるまで長くて3ヶ月ほどかかるためだと言われています。その間は過去の実績が結びついていない状態となるため、一時的に評価が下がる、というわけです。
独自ドメインを利用すると、無料ドメインを利用する場合よりSEO効果を享受できる可能性が高いです。なぜなら、そのドメインを利用しているのは自分たちのコンテンツだけなので、パフォーマンス評価が全て自分たちのサイトに反映されるためです。独自ドメインに対し無料ブログサービスの無料ドメインというものが存在します。この無料ドメインのうち、アメブロ、FC2ブログ、ライブドアブログなど有名なブログサービスであれば、サービス自体のドメインパワーが強いため、ドメインパワーの点では良い影響を受けられます。しかし、内部施策の融通が利かずSEO対策がしにくかったり、SEO対策を頑張っても効果がドメイン全体に帰属してしまうため、SEO効果の全てを自分たちのサイトで囲い込むことができず、結果的にSEO効果が低くなってしまいます。これは、自分たちの記事数が多くなるほどSEO効果は下がってしまうため、これから記事数を増やそうと考えている方ほど独自のドメインにする勇気を持つ必要があります。
ドメインパワーの目安・平均は、ahrefsなどの専用ツールで調べます。数値は先述の通り0~100まであり、FacebookやTwitter、Googleなどの世界的に有名なメディアサイトはドメインレーティング(ahrefs上のドメインパワー指標)がMaxの100に近いです。また基本的に、サイトを新規に立ち上げたばかりだとDR(ドメインレーティング)は0~1であり、サイトを立ち上げてから3年くらい運用し続ければだいたい50に落ち着きます。これを踏まえると、ドメインパワーは30~50くらいを目安に目指すべきだと言えそうです。
参照:
ドメインパワーの目安の話題でも触れたように、サイト運用を開始してすぐはドメインパワーが限りなく0に近いです。また、3年ほど運用し続けるとドメインパワーが50近くになることも言及しました。では、ドメインパワーによってSEO上効果を得られるまでにどれくらい時間がかかるのでしょうか?Google公式によると、メリットを得られるようになるまで、運用開始から4~12ヶ月ほどかかるようです。サイトによって差があるものの、ドメインパワーを上げるために1年ほどの期間は覚悟すべきでしょう。ちなみに、ドメインパワーによる効果が出始めた後は、流入数も増加するため、ドメインパワー上昇も加速するようです。
前項までで、ドメインパワーの基礎部分についてお伝えしました。この項では、ドメインパワーが重要であるとされる理由を詳しく説明したいと思います。
なぜドメインパワーがSEO上重要とされているのでしょうか?それは、多くのキーワードで上位表示をできているメディアは、軒並みドメインパワーが高いドメインだからです。皆さんも調べ物をするとき、上位にはよく有名な企業や政府のページが来ると思います。有名な主体が運営するドメインは運営歴が長く、たくさんのサイトから被リンクも獲得しているためドメインパワーが高いのです。鶏が先か卵が先かわかりませんが、ドメインパワーの強いサイトは上位表示しやすく、上位表示されているサイトのドメインパワーは強いのです。なにより、このようなドメインの記事が検索順位上位から陥落することは滅多にありません。ドメインパワーが必要な理由がよくわかると思います。
ではドメインパワーが全てかというと、そういうわけでもありません。もちろんドメインパワーは大切ですが、ドメインパワー以外にも、
など、コンテンツの質に関する指標もたくさん存在します。一般にSEO対策をする際、ドメインパワーよりコンテンツの質を高める施策を優先するのは、コンテンツの質を高める方が実行しやすいためです。ドメインパワーが必要不可欠なのは変わりませんが、SEO対策のうちコンテンツの質を上げる施策の方が大きな割合を占めていることは認識しておきましょう。
ドメインパワーの重要性も理解していただけたと思います。そこで次は、ドメインパワーをどのようにチェックするか紹介します。まず、Googleの検索エンジンがサイトを評価した結果を直接知ることはできません。しかしそのままわからなければドメインパワーを高める施策を考えることもできません。そこで、一般的に使われている専用ツールを用いてチェックしていきます。有名どころで行くとMozかahrefsになります。
MOZを利用するために、まずはMOZのWEBサイトでアカウントを作成しましょう。その際、MOZ自体は無料で使えますが、クレジットカードを登録したり、住所などの個人情報を入力する必要があります。アカウントの作成が終わったら、設定項目にある「rootdomain」の欄に、確認したいWEBサイトのURLを入力します。そのまま「Search」ボタンを押すと、たくさんの数字が出てきます。その中でも特に、「Domain Authority」と「Page Authority」が重要です。それぞれ、検索エンジンからドメイン単位で受けた評価、ページ単位で受けた評価を表す数字であり、いずれも0から100の間でスコアが表示されます。最高点である100に近づけるようサイトの改善を進めましょう。
参照:
MOZと似た機能を持つツールに、ahrefsがあります。こちらもアカウント作成やリサーチ方法はMOZと似通った部分が多いですが、明確に違う部分としてahrefsは有料である点が挙げられます。有料である分データの信憑性は高く、WEBマーケティング企業の多くで導入されているツールですので、有料でもかまわない方はahrefsを使ってみましょう。
参照:Ahrefsのサイトエクスプローラー:SEOのための競合分析ツール
https://ahrefs.com/ja/site-explorer
ドメインパワーの調べ方に関しての詳細はこちら記事を参考にしてください。
ドメインパワーの確認方法までお伝えしたところで、いよいよ本記事のメインである、ドメインパワーを上げる方法についてお話しいたします。以下6つの方法が有力なので、順に見ていきましょう。
まずはコンテンツの質を上げる方法です。ユーザーから読んでもらいやすい記事は必然的にGoogleからの評価も上がり、流入数が増え、上位表示されるようになるため、まずはコンテンツの質から見直しましょう。コンテンツ対策をするには、何よりもユーザーの検索意図を把握することが重要です。現時点で上位表示されている競合サイトを分析し、傾向からユーザーの検索意図を理解できれば、ユーザーの求める情報が盛り込まれた質の高いページを作れるようになり、Googleに評価されやすくなります。こうしてコンテンツの内容の質を高めつつ、クローラビリティ、ユーザビリティを高めるためのよりテクニカルなコンテンツ対策をすることが、ドメインパワーを上げることにもつながります。逆に言うと、コンテンツ対策をしなければ、ドメインパワーが上がりません。記事数ばかりが増え、ユーザーの利便性が一向に改善されなければ、サイト全体が低質なものになってしまいます。膨大な低質記事を抱えてしまうと、Googleに評価されるように記事を改善する手間がかかりすぎてしまうため、最初から質の高いコンテンツを作り、サイトの質を担保し続けましょう。
次に、長く運用する方法を紹介します。長く運用されたサイトはドメインパワーが高いです。これはただ長く運用すれば良い、というわけではありません。2~3年の月日をかけ、何度も何度も更新を続けてサイトを磨き上げるからこそドメインパワーも高まっていくのです。またこのようにして磨かれたサイトには被リンクが増えていきます。この被リンクからユーザーが流入することで、ドメインパワーの上昇は加速します。ですので、最初の苦しい時期に投げ出さず、コツコツ運用する忍耐力が大切になりそうです。
外部の被リンクを獲得することも大切です。外部からリンクされるということは、外部から良いサイトだと認められたことと同義であるため、基本的にはGoogleからの評価が高くなります。ただし例外として、低質な外部サイトから被リンクを受けた場合はGoogleからの評価は下がる可能性があります。外部にてきとうなサイトを乱立させ、そこから外部リンクをかけるなど、ずるい手法を排除するようにGoogleの検索エンジンが設定されていると考えられています。そのため、外部被リンクを獲得するために、SNSを活用してサイト情報を発信しましょう。外部に認知してもらうことで、被リンク数も増えていくはずです。
参照:
過去に1度作成したコンテンツを定期的に修正・更新することも大切です。当時全力を尽くしてコンテンツの質を上げていたとしても、時代の流れとともにコンテンツの質が落ちている可能性が高いためです。コンテンツの内容は今でも正しい情報のままか、状況が変化していないか、ユーザーのニーズはもう蒸発したのではないか、など、時代の流れにコンテンツが取り残されないように意識しながら定期的にメンテナンスをしましょう。
上記の方法で上手くいかない場合、サイト全体の構造を刷新してみる必要があるかもしれません。サイト構造やデザインがユーザビリティを満たせていなかったら、コンテンツの質が高くても上位表示は難しい場合があります。ユーザーがコンテンツを読みやすくなるように、SNSでシェアしやすくなるように、サイト設計を工夫してみましょう。
ドメインパワーを高める施策をする際、気をつけるべきことがあります。一言で言うと、短期間でドメインパワーを上げようと詰め込みすぎてはいけない、となります。例えば被リンクを集める際、お金を払って被リンクしてもらったり、中古ドメインを購入してドメイン評価を引き継ぐ手法をとる人たちがいます。しかしこれは規約違反に当たり、むしろGoogleからの評価を失墜させる可能性があり推奨できません。また記事コンテンツを急激に増やすのもよくありません。コピーコンテンツやサイトテーマと関連の薄いコンテンツが増えサイトの質が低下しやすいというのもありますが、質自体が完璧であっても、コンテンツが急激に増加する現象自体をサイト低質化のサインだとGoogleの検索エンジンは判断します。特に後者の場合は努力に対し成果が全く見合わないため、時間をかけて徐々に記事を増やしていきましょう。
この記事ではSEO対策としてドメインパワーを高める方法について紹介しました。しかし、もちろんドメインパワーを高めることも重要ですが、SEO対策の本質はユーザーの検索意図に応えることだと意識することが大切です。コンテンツの質がドメインパワー上昇につながることも多いので、まずはコンテンツの質を高め、だんだんドメインパワーを強める施策を増やしていくなどして、上手にバランスを取りながらサイト運営してみてください。