2022/04/08
広告運用や SEO に触れると、必ず「CTR」という言葉を聞くと思います。CTR(クリック率)はWebマーケティングの成否を決める重要な指標です。なぜなら、CTRが高いとWebページへの流入が増え、その後のコンバージョン数に影響するからです。そこでこの記事では、CTRの意味から計算方法、各コンテンツの目安、注意点を紹介します。CTRが伸び悩んでいる方に読んでいただきたいです。
目次
CTRとはClick Through Rateの略称で、日本語だと「クリック率」と表現されています。クリック率とは、Google検索やインターネット広告が表示された回数のうち、どのくらいクリックされたかの割合を示します。表示された回数に対してクリックされた回数が多いほどCTRが高くなり、コンテンツの効果が高いと考えられます。
先ほど少し触れましたが、CTRには計算式が存在します。以下の通り、クリック数と表示回数から算出できます。
CTR=クリック数÷表示回数×100
表示回数に対してクリック数が多いほどCTRは高くなります。もちろん、クリックされたからと言って商品購入やサービスの申し込みなどコンバージョンに至らないと意味はありません。しかし、コンバージョンの前に訪問者がいないと勝負にならないので、訪問者をどれだけ確保できたかという観点でCTRは重要な指標となります。
前項ではCTRの基礎を一通り紹介しました。ここからは、実際に各広告媒体及びSEO記事のCTRがどのようになっているか、目安を見ていきましょう。
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果画面に表示される広告のことです。ユーザーの検索したキーワードに関連のある広告を表示する仕組みになっているため、場合によってはディスプレイ広告の10倍ほどCTRが高いこともあります。以下、代表的な業界のCTR平均がどのようになっているかをまとめています。業界によってCTRが6%〜2%と大きく差があることがわかるでしょう。
業種 | CTR平均 |
デート・出会い系 | 6.05% |
旅行関連 | 4.68% |
自動車 | 4.00% |
不動産 | 3.71% |
医療・健康 | 3.27% |
法律サービス | 2.93% |
ネット通販 | 2.69% |
家庭用品 | 2.44% |
B2B | 2.41% |
テクノロジー | 2.09% |
参照:WordStream社 業界別Google広告の平均クリック率
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの広告枠に表示される広告です。バナー広告やテキスト広告、動画広告やレスポンシブ広告などが含まれます。ディスプレイ広告はリスティング広告とは違い、ユーザーの検索キーワードに連動して表示されるわけではないので、悩みや欲求が具現化していない潜在層にアプローチすることになります。そのため、リスティング広告と比べるとどうしてもCTRが低くなってしまいます。リスティング広告同様の業界の平均CTRは以下の通りです。
業種 | 平均CTR |
デート・出会い系 | 0.72% |
旅行関連 | 0.47% |
自動車 | 0.60% |
不動産 | 1.08% |
医療・健康 | 0.59% |
法律サービス | 0.59% |
ネット通販 | 0.51% |
家庭用品 | 0.49% |
B2B | 0.46% |
テクノロジー | 0.39% |
参照:WordStream社 業界別Google広告の平均クリック率
動画広告とは、動画で行われる広告全般のことです。動画広告の中にも、インストリーム広告、インフィード広告、インバナー広告などがあるのですが、総じてCTRは1〜3%の範囲を推移しています。。動画広告は映像の長さごとに、以下のようにクリック率が変わります。30秒以上になると、ユーザーにストレスを与えてしまい、CTRが一気に下がります。
参照:Mobile Marketing Associationレポート P18
SEOとは、この記事のようにテキストベースで魅力を伝える記事や、ランディングページと呼ばれるPRページが該当します。自然検索と呼ばれることも多いです。自然検索においては、検索順位が上位になるほどCTRは高まります。自然検索の特徴として、タイトルの付け方や説明文のわかりやすさなどでCTRが比較的簡単に変動する点があります。以下、検索順位ごとのCTR平均です。1位と2位で2倍近く差があるため、どれほど検索順位が重要かわかるでしょう。
順位 | CTR平均 |
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
6位 | 2.42% |
7位 | 2.06% |
8位 | 1.78% |
9位 | 1.46% |
10位 | 1.32% |
参照:https://www.seoclarity.net/mobile-desktop-ctr-study-11302/
SEO対策については次の記事も参考にしてみてください。
CTRの目安について知ったことで、平均に足りていないと心配になった方もいるのではないでしょうか。そこで最後に、CTRを向上させるポイントについてお伝えします。
ユーザーのニーズ・意図にあった的確なタイトルを付けることが重要です。ユーザーはタイトルの情報を元にクリックするか決めます。そのため、タイトルに検索キーワードを含めることはもちろん、「業界シェアNo.1」など自社の強みをアピールするのも有効です。
自社コンテンツの内容と検索キーワードが合っているか確認しましょう。リスティング広告や自然検索のSEOでは、そのシステムのため、検索キーワードを選ぶことと顧客のターゲティングが同じ意味になります。また、テキストに検索キーワードを入れると検索画面で太字表示されるため、コンテンツ内に検索キーワードをたくさんちりばめましょう。
参照:
コンテンツ内容とターゲットがかみ合っていることも重要です。ターゲットは、地域・年齢・性別などのカテゴリーで選別します。ターゲット範囲外のユーザーに広告が表示されてしまうとクリック率は当然下がってしまいます。また自社サービスの対象外となる地域で広告が配信されると、これまたユーザーからクリックしてもらえません。自社サービスにあったユーザにコンテンツを届けるため、ターゲットを適切に設定しましょう。
タイトル・キーワード・ターゲットを最適化したら、次はアピールポイントをチェックしましょう。
ユーザーは商品・サービスに対して、「本当にこの商品を利用することで悩みが解決できるのか」「もう少し価格が安ければいいのに」といった思いを抱えています。この思いを広告テキストで取り除いてあげることで、必然的にユーザーからクリックしてもらえるようになります。
では、そのような思い・ニーズをくみ取るためには何をすれば良いのでしょうか。企業の広告運用者の方であれば、エンドユーザーに直接ヒアリングやアンケート調査をするのがおすすめです。もちろんその際、回答しやすいフォーマットにすることは大切です。また、素早く情報を得る方法としてYahoo! 知恵袋や教えて goo などのプラットフォームを用いるのもおすすめです。口コミからはユーザーのニーズにつながる情報が得られやすいためです。
以上のことに注意してユーザーのニーズをくみ取ったら、そのニーズを満たせるような自社サービスの魅力を訴求するようにしましょう。そうすることで、ユーザーに対して適切にアピールできると思います。
前項でアピールポイントを明確にしました。次にやるべきは更にそのアピールを強めるために具体的な表現に落とし込むことです。例えば、自社サービスが信頼に足ることを伝える際、「業界 No.1 の実績」と「100業種以上の運用実績あり!」という2つのキャッチフレーズなら、どちらの方が信頼してもらえるでしょうか。おそらく後者でしょう。このように、リアリティがあって伝わりやすい表現にする、客観的な数値や実績をいれるなどの細かい工夫によって、クリック率は大きく変わります。
施策として、まずは検索クエリの裏にはユーザーのどういった意図があるのかを考えてみましょう。
また、検索してくれたユーザーを説き伏せようとすると、ユーザーにストレスを与えてしまいます。あくまで納得してもらえるような内容にすることが大切です。
購買決定要因をを満たすコンテンツにすることも重要です。商品やサービスによって多少異なりますが、企業情報・価格・納期・エリアなど、要因は様々あります。また、重要度によって配置やフォントを変える必要もあるため、まずは要素をリストアップし、その上で優先順位まで決めましょう。
今回はCTRについて詳しく紹介しました。CTRはコンテンツの集客力を測る上で重要な指標であり、広告媒体や業界によってCTRは変化します。また、CTRを向上させるポイントも6つ紹介しましたが、共通して検索意図を理解し、そのニーズを満たす内容を用意することが重要になります。以上の内容を踏まえ、みなさんもコンテンツのCTR向上を実現しましょう。