2022/04/14
近年インターネットやSNSが普及し、インターネット上でビジネスが行われることが普通になりました。そのため、ビジネスをする主体であれば個人・法人を問わずWebサイトで集客する必要があります。
そこで今回は、Webサイトでのマーケティングを始めたいがWebマーケティングがよくわからない、とお考えの方に向け、ざっくりとWebマーケティングの基礎知識をご紹介します。まずはこの記事を読んでもらい、併せて弊社の他の記事も読んでもらうことで、より詳しい知識も提供できます。
目次
まずはじめに、Webマーケティングの意味・歴史・必要性について簡単に触れておこうと思います。
Webマーケティングとは、WebサイトやWebサービスを用いて行われるマーケティング活動のことです。今までチラシやテレビCMで行っていた集客をWebサイトで行うことになります。またそのWebサイトに集めた客をサイト上での購買や、期待するアクションまで移行させる必要もあります。具体的な業務は、サイトの記事コンテンツ作りやメルマガ配信、サイト内の導線改善などです。
そもそもマーケティングでは、適切な「ターゲット」の「ニーズ」を正確に捉え、適切な「情報」を届け、購買につなげることを目的とします。実はWebマーケティングは、この一連の活動をWebサイトで行うだけなのです。
Webマーケティングは、当初はBtoC向けの施策が中心でしたが、最近はBtoB企業でも取り組むようになりました。BtoB営業は従来直接訪問によるところが多く、インターネットが普及してもしばらくはその傾向が続いたのですが、さすがにここまでインターネットが普及すると、BtoBビジネスでもまずはネットで調べることが主流になってきたためです。そのため、Webサイト等の基盤作りやWeb広告等に取り組む会社が増えています。
こうした傾向によりチャンスが増えたのは、大企業より実は中小企業です。中小企業はマーケティングに割ける予算が少なく、これまでどうしても大企業のPRの陰に隠れてしまうことがありました。しかしWebマーケティングは、ターゲットの選定さえ適切にできていれば、物理的距離のせいでアプローチできていなかった企業にも自社の魅力を伝えることができます。そうした意味でWebマーケティングは革命的な手段なのです。
近年注目されるようになったWebマーケティングですが、30年前から幾度かの転機を迎えてきました。ここでは大きく4つの時期に分けてお伝えします。
最初のWebマーケティングは、1994年にアメリカで行われたWeb広告「バナー広告」です。当時からPCの普及が進んでいたアメリカでは、その後PCの電子メールユーザー増加に伴って、「メール広告」の利用も盛んになっていきました。
日本国内では、アメリカから少し遅れて1999年、NTTドコモによる「iモード」がスタートしたことをきっかけに、携帯用Webサイトへの広告が普及し始めました。
2000年代になり、インターネットが普及し始めると、個人ブログの時代が来ました。「アメーバブログ」などを利用された方もいらっしゃるのではないでしょうか。ブログにより個人の情報発信が活発に行われるようになると、アフィリエイトなど商品紹介の広告が本格化しました。またユーザーの検索ニーズが多様化したのもこの時代で、それに付随して検索連動型広告(リスティング広告)やSEO(検索エンジン最適化)の手法が生まれました。
2000年代後半になり、FacebookやTwitter、国内ではmixiなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が生まれると、Web上でカジュアルなコミュニケーションが行われるようになりました。各SNSは企業にとって広告システムの一部となり、各企業が自社の宣伝をSNS上でオ来ぬようになります。
2010年代は何と言っても、iPhoneなどのスマートフォン普及が大きいでしょう。スマホの与えた影響は大きく、アプリの多様化、検索エンジン利用の活発化、SNS投稿の変化など数えたらキリがありません。広告も「動画広告」や「インフルエンサーマーケティング」、「口コミ」がメジャーになりました。また、先ほどもあったとおり、「オウンドメディア」を通して企業自ら情報を発信するようになりました。
ここまでWebマーケティングの意味と歴史を紹介しました。次は、Webマーケティングが本当に必要なのかについて解説します。Webマーケティングがビジネスにおいて必要不可欠である理由は、以下の4つです。
Webマーケティングが必要な理由の1つ目は、少なめの予算でも始められる点です。イベントを開催する、CMを打つなどの従来型マーケティングは、まとまった費用が必要となります。そのため小規模の企業にとってはハードルが高く、これまで手を出しにくいものでした。
一方、Webマーケティングは、リスティング広告など少額からすぐに始められることが多いです。金銭コストとしてかかるのはコンテンツマーケティングなどのノウハウ獲得や人材確保くらいで、あとは時間コストさえかければ誰でも実行できます。
Webマーケティングが必要な理由の2つ目は、成果の確認がしやすいという点です。チラシや看板、CMは、比較的広範囲の顧客にアプローチできる一方、顧客になり得ない人に対してもアプローチしてしまう点でロスが発生してしまいます。しかし、Web広告やオウンドメディアであれば、自社サービスに興味を持っている顕在ユーザーを狙い撃ちできるため、顧客を簡単に獲得できるという特徴があります。
そのため、Webマーケティング単体でも顧客を確保できますし、従来のマスマーケティングとWebマーケティングを組み合わせていくことでこれまで以上に顧客を確保することも可能なのです。
Webマーケティングが必要な理由の3つ目は、マーケティングの施策にどれほどのインパクトがあったのか、分析することが可能である点です。従来型マーケティング(CM、チラシ、看板など)だと、それを見てどのくらいの人が顧客になったのかという広告効果を数値化することができません。一方、Webマーケティングは、コンテンツごとのクリック数やコンバージョン数がデータとして取れるので、費用対効果を分析しやすく、その分析を元に新たなPDCAを回すことができます。このように、各施策が何を原因に成果が上がったのか(上がらなかったのか)分析し、次につなげることができるため、ビジネスにおいて必要です。
Webマーケティングが必要な理由の4つ目は、一度行った施策の修正がしやすい点です。従来のコンテンツだと、市場に打ち出した後修正することが難しい、または不可能であることが多かったです。一方Webコンテンツだと、記事修正にほとんど時間がかかりません。そのため、前回の施策がイマイチだった、市場のニーズが変化してしまった、といった状況に迅速に対応できる点で価値があります。
少し余談ですが、読者の中には、Webマーケティングとデジタルマーケティングの違いがよくわかっていない方がいるのではないでしょうか。
少し解説すると、まず「マーケティング」には、大きくオフラインとオンラインの2つがあります。「オンラインマーケティング」と「デジタルマーケティング」とがイコールの概念です。そしてデジタルマーケティングの中に、「Webマーケティング」「メールマーケティング」「アプリマーケティング」が含まれています。
つまり、Webマーケティングはデジタルマーケティングの一部なのです。別概念として区別しておきましょう。
Webマーケティングには、独自の用語が存在します。今後Webマーケティングに関する情報に触れていく際キャッチアップできるように、必須用語の意味を確認しておきましょう。
「SEO」とは、「Search Engine Optimization」の略で、和訳すると「検索エンジン最適化」となります。検索エンジンで用語を検索すると関係するWebサイトが表示されますが、その検索結果で自社サイトが上位表示されるように行う施策を指します。せっかくWebサイトを作成しても、検索結果で上位表示されなければ、ユーザーから見てもらうことすらできません。逆に上位表示できれば集客の可能性が格段に広がるため、WebマーケティングにおいてSEO対策はコアの要素となります。
参照:SEOは本当に重要?SEO対策に取り組むメリット・デメリットを解説
「KPI」は、「Key Performance Indicator」の略で、和訳すると「重要業績評価指標」という意味です。「KGI」は、「Key Goal Indicator」の略で、和訳すると「重要目標達成指標」という意味です。
KPI・KGIはどちらもWebマーケティングに限らず使われる用語ですが、わかりやすく説明すると、目標を定量的に表したのがKGI、KGI達成のためにクリアすべきミニ目標がKPI、というイメージです。
「PV」は、「Page View」の略で、和訳すると「ページ閲覧(数)」という意味です。「CV」とは、「Conversion」の略で、和訳すると「変換」という意味です。PVは、検索結果画面からどれだけの人が自社サイトを訪れたのかを表します。一方CVは、自社サイトに訪れたユーザーのうち商品購入や会員登録、資料請求、イベントやセミナー参加などの具体的な行動を取った人の数CVを表します。
「CPA」は、「Cost Per Action」もしくは「Cost Per Acquisition」の略で、和訳すると「顧客獲得単価」という意味です。「顧客獲得のためにかけたコスト」÷「顧客獲得数」の式に数字を当てはめることで求められ、施策の効果を把握するために必要なデータです。
「CPC」は、「Cost Per Click」の略で、「クリック単価」という意味です。CPAは最終顧客数で割ったのに対し、CPAはクリック数が分母となります。CPCが高ければ、クリックしてから顧客化するまでの離脱率が低いということになり、施策が上手くいっていると言えます。
次はWebマーケティングをどのように勉強すべきか、実戦の前のインプット方法について紹介します。
まずは本で勉強する方法です。本はWebマーケティングを網羅的かつ体系的に学べる上に、情報の信憑性も高く、コストもそれほどかからないためおすすめです。
本だと、Webマーケティングに関する情報が体系的にまとめられています。そのため、書籍を買うのであれば、数冊でも基礎知識を固めるには十分でしょう。また、数冊の本の情報を1ッ冊にまとめるようにすればより知識を定着させることができるでしょう。
セミナーに参加するのもオススメです。セミナーでは、Webマーケティングの基礎知識に加え、最新情報を獲得できるのが強みです。周囲に同じWebマーケティングを学習する仲間がいるので、継続しやすいのも良い点です。一方で、セミナーによっては何十万もする高額なものがあるので、コストをかけずに学習したい方には不向きと言えます。
インターネット上の情報で勉強するのも方法の1つです。最近はWebマーケティングで仕事をしている人も多く、その人が書いた記事などが簡単に見つかります。中には本やセミナーで提供される価値が高い情報もあるため、学習コストをかけたくない方にとってはインターネット学習は最適です。しかし、インターネット学習のデメリットとして情報の信憑性が低いことがあります。インターネットの情報には専門知識のない人が掲載している低質なものももちろんあるため、情報の取捨選択が必要になります。また情報を取捨選択すると、今度は情報が断片的になって知識に偏りが生じる恐れもあります。インターネット学習は、本やセミナーで学んだ知識を補強する目的で使うのが良いでしょう。
インプットが済んだら、いよいよ実戦です。ところで、実戦とは具体的にどのようなことをするのでしょうか。この項では、Webマーケティングの実務を大きく3つにわけて紹介します。
まず最初にすることは、Webマーケティングの戦略立案になります。戦略立案と言ってもすることは大きく2つで、「ターゲット設定」と「対策キーワード選定」です。
まずは、どんなユーザーにコンテンツを見てもらい集客したいのか、ターゲットを決めましょう。ターゲットとするユーザーによってニーズが変わってくるため、自ずとコンテンツの内容やサイト内の導線も変わってきます。今後の施策の方向性を決める上でターゲット設定はとても重要です。
ターゲットを設定するには、自社サービスの特性を考え直すことが大切です。自社サービスの特徴が掴めれば、自社に親和性が高いのはどの性別・年齢・職業・地域の人か、イメージがつくと思います。また、イメージがつかない場合は既存顧客の特徴から考えるのもオススメです。
ターゲットが決まったら、次はコンテンツで対策するキーワードを選定します。ターゲット設定が上手くいっても、ターゲットに届けるコンテンツの内容が刺さらなければ、集客には至りません。ターゲットの立場になって、どのような悩み(ニーズ)があるか、どのような情報が欲しいか、を考えてみましょう。
参照:SEOキーワードの選び方とは?正しく設置して上位表示を目指す方法を解説!
ターゲットとキーワードが決まったら、次は集客のための施策を行っていきます。Webマーケティングでは、コンテンツ制作とサイトのSEO対策がメインになります。この段階では、気をつけるべきこと、役立つテクニックがたくさんあります。しかし本当に大事なのはテクニックではなく、ユーザーとGoogleの検索エンジンに対しわかりやすいコンテンツにすることです。ユーザーに対しては、ニーズを正確に把握すること、そしてニーズに対して的確に情報提供することが求められます。一方Googleの検索エンジンに対しては、Googleのロボットでも読みやすいような整理整頓されたコンテンツにすることが求められます。テクニックのほとんどもそのために存在しているため、闇雲にテクニックに飛びつくのではなく、本質の部分を理解して施策を行いましょう。
コンテンツをある程度用意できたら、最後にコンテンツを見たユーザーが顧客になるまでフローを整えましょう。一般に、ユーザーはとあるページからサイトに流入した後、いくつかのコンテンツを回遊した上でCVに至ります。そのため、流入したユーザーの離脱を防ぐには、コンテンツの回遊をしやすくするために導線設計したり、CVに至る前のフォームを流力しやすくするなど、ユーザーがストレスフリーに自社の魅力を感じられるような配慮が必要です。
Webマーケティングの方法についてざっくりと解説しましたが、もっと詳しく知りたい方は下記のコンテンツをご覧ください。
では最後に、前項のWebマーケティングを行う上で役立つツールを4つ紹介します。
「Googleキーワードプランナー」はGoogle広告の機能に付属して提供されるツールです。本来はGoogleに広告を出す際、キーワード表示回数やクリック数予測を分析するツールですが、別機能としてキーワードの月間平均検索ボリュームを出すことができるため、主にキーワード選定の場面で活躍します。
SEO対策のための代表的なツールの1つが「Googleサーチコンソール」です。これはGoogleが提供している自社サイトの検索順位チェックツールで、
・キーワードごとの検索ボリューム
・記事・コンテンツごとの検索順位
・クリックされた回数
などを調べることができます。無料で利用できる上に、リライトの段階で必要となる情報を取れることから、SEO対策に必要なツールです。
最後に紹介するのが「ahrefs(エイチレフス)」です。「ahrefs(エイチレフス)」は、競合サイトの
・検索流入推移
・流入キーワード
・流入キーワードごとの順位
などを簡単に分析できるツールです。特に、他のツールでは分析しにくい競合サイトのデータまで調べることができるのが優れている点です。「ahrefs(エイチレフス)」1つでSEO対策に必要なデータの多くを取ることができるため、有料ではあるものの必ず利用したいツールになります。
「見出し(hタグ)抽出ツール」も便利なツールです。記事を書く際、記事構成や段落分けはGoogleの検索エンジンからの評価にかなり影響する要素となります。そのため、競合サイトのうち上位表示されるサイトがどのような構成になっているか分析することは重要ですが、「見出し(hタグ)抽出ツール」で対策キーワードを入力することで、上位ページの見出しタグを抽出・分析できます。競合分析を効率的に行うために必須のツールです。
Webマーケティングについて紹介しました。社会の動向を考えると今後Webマーケティング無しにビジネスは成り立ちません。この記事や弊社の他の記事も参考にしながら、顧客をたくさん獲得できるようなWebマーケティングをしていきましょう。