2022/04/30
Webサイトでオンライン集客を試みる企業が増えています。そういった企業のSEO対策担当者が最初に考えるのが、SEO対策を独学で対処するか、外部のSEOコンサルに依頼するかの選択だと思います。
もちろん業者に頼む方が専門性も高く効果が見込めますが、依頼する際抑えるべきポイントがわかっていないと思わぬ損失を招いてしまう可能性があります。
そのため、この記事では、そもそもSEO対策を外部に依頼すべきかどうかから、依頼する際気をつけるべき観点などを解説します。外部業者と協力して確実に効果を出したいと考えていらっしゃる方はぜひご参照ください。
目次
まず最初に、そもそもSEO対策を業者に依頼すべきかどうか、業者に頼むメリットとデメリットを見ることで考えてみましょう。
SEO対策を業者に依頼するメリットは、主に以下の3つです。
SEO対策を業者に依頼するメリットの1つ目は、SEO対策に時間を取られないという点です。この記事をご覧になっている方の中には、他の業務も抱えておりSEO対策に集中できない状況であったり、SEO対策の部署に人員がほとんどおらず人手不足な状況であったりしませんか。そういう方にとっては、外部の業者にSEO対策を依頼することで時間を取られないことはメリットでしょう。
SEO対策を業者に依頼するメリットの2つ目は、SEO対策に関する最新情報をアップデートできる点です。SEO対策の部署がある程度組織として動けていたり、人員が足りている企業では、SEO対策を全て外部に委託するよりも、一部を内部で担当することでコストをかけない方が好まれることもあるでしょう。その場合は、社内で対策を行い、社内の活動のアドバイスをもらったり、最新のSEO動向をキャッチアップするところだけ外部に委託すると良いでしょう。このように、業務の一部だけ、本当に専門性が必要なところだけを業者に依頼する方法も検討してみてください。
SEO対策を業者に依頼するメリットの3つ目は、SEO対策の効果が出やすい点です。当然ですが、SEO対策を専門でしている業者に依頼した方が効果が出やすいです。とは言え、後述するとおり確実に大きな成果が出るとは限らないため、その点は注意が必要です。
メリットを見てきましたが、SEO対策を業者に依頼することにはデメリットもあります。ここでは、デメリットを3つ紹介します。
SEO対策を業者に依頼するデメリットの1つ目は、コストがかかる点です。内部で社員にSEO対策を担当してもらうよりも、外部でしかも専門家である業者に依頼する方が費用がかかるのは当然です。その分メリットもあるので、コストを避けるか効果を取るか天秤にかけて考えてみてください。
SEO対策を業者に依頼するデメリットの2つ目は、悪徳業者に依頼してしまうリスクがある点です。どの業界でもそうですが、専門性を掲げる業者であってもその質は千差万別です。本当に優れている業者もあれば、費用に専門性が見合っていない業者もたくさんあります。むしろ質の低い業者の方が多いため、本当に良い業者に出会えるまでには時間がかかると覚悟しておきましょう。ちなみに、良い業者の見極め方については後述します。
参照:SEO対策について相談する前に知っておきたい基礎知識を解説
SEO対策を業者に依頼するデメリットの3つ目は、必ず上位表示される訳ではないという点です。先述したとおり、どれほど優れたSEO業者であっても、市場の変化やGoogleアルゴリズムの思わぬ変動のせいでSEO対策の効果を発揮できない可能性を0にすることはできません。この点は十分認識した上で、それでも自社に必要だと感じたら依頼をするようにしましょう。
ここまで、SEO対策を業者に依頼するメリットとデメリットを見てきました。これらを踏まえて依頼してみようと思われた方に向けて、次は依頼する際検討すべきポイントを4つ紹介します。
SEO対策を業者に依頼する際検討すべきポイントの1つ目は、キーワードの選定です。業者に依頼する際は、事前にどのようなキーワードを対策するか社内で仮説を立ててから臨みましょう。というのも、キーワード選定には、検索ボリュームの分析に加えて、自社が呼び込みたい顧客のペルソナ分析が必要だからです。検索ボリュームの分析は業者ができても、顧客ペルソナ分析は自社サービスを理解できている社内で考えるひつようがあります。最終的にSEO対策の効果が上手く発揮できるように、キーワード選定についてある程度の仮説を作っておいてください。その際、キーワードの性質に注意して検討しましょう。
キーワードの性質といっても色々ありますが、特に検索意図とビッグワード・ロングテールワードの違いの2つについて考えるのが大切です。
検索意図について、検索キーワードには、それぞれ検索するユーザーの意図があります。この意図を分析した上で自社のサービスに興味を持ってくれそうなユーザーかどうか考えましょう。
ビッグワードとロングテールワードについて、検索キーワードには1語のみの場合と2語以上の場合の2つがあります。前者がビッグワード、後者がロングテールワードです。このうち、ビッグワードは検索ボリュームが大きい分競合サイトのドメインパワーが強く、上位表示が難しいです。一方ロングテールワードは検索ボリュームこそ小さいですが、競合のドメインパワーはビッグワードほど強くなく、しかも単語の掛け合わせによってユーザーのセグメントが細分化されているため、自社にとって優良顧客になりやすいというメリットがあります。SEO対策を始めたての企業ほどロングテールワードをメインで対策しましょう。
キーワード選定に関しての詳しい解説はこちらの記事を参考にしてください。
SEO対策を業者に依頼する際検討すべきポイントの2つ目は、SEO対策の手法です。いくつかの業者を比較するには、そもそもSEO対策にはどのような種類があるのかを理解した上で、各業者がどこに重きを置いているのか考える必要があります。対策の手法は、大きく3種類に分かれます。
SEO対策の手法の1つ目は、コンテンツ制作です。コンテンツはサイトの質を決める最重要要素なので、どの業者がどれほどコンテンツ制作に本気で向き合っているか、どのようなスキルを持っているかで比較しましょう。
SEO対策の手法の2つ目は、内部施策です。コンテンツ制作をした後は、コンテンツを収容するサイトの内部を整える作業が必要になります。コンテンツ制作まではどのSEO業者もある程度対策できていますが、内部施策に関しては業者によってその質が大きく分かれる印象があります。実は内部施策の中にも様々あり、これらを徹底的に実施できれば、検索順位1位をすんなり取れることも多いです。そのため、内部施策は業者を比較検討する際には重視したいポイントの1つです。
参照:SEO対策でまず最初に確認しておきたい3つの内部施策
SEO対策の手法の3つ目は、外部施策です。こちらは前者2つと比べると優先度が落ちます。理由は2つあります。1つ目は、外部施策のほとんどを外部からの被リンクをもらうための施策が占めており、外部サイトの協力に依存するところが多いためです。2つ目は、コンテンツ制作や内部施策で良質なサイトが作れていれば、自然と外部から被リンクをもらえるようになるためです。そのため、業者を比較する際、外部施策の観点は「あると嬉しい」程度にとどめておきましょう。
SEO対策を業者に依頼する際検討すべきポイントの3つ目は、SEO対策の依頼にかかる依頼費用です。費用の目安をつけ、不当な費用請求を防ぐため、ここで予算を検討しておきましょう。
SEO対策の依頼費用を調べる方法として、①デジタル広告と比較する方法、②他の業者と比較する方法、の2つがあります。
SEO対策の依頼費用を調べる方法の1つ目は、PPC広告と比較することです。SEO対策の依頼費用は非常に不透明で、対策するキーワードや対策手法により相場が変動することが多々あります。依頼する側にとっては不便ではありますが、キーワードによって対策のしやすさに違いが出るのも仕方がないため、料金の統一基準が作れないことも理解しましょう。
とは言え、PPC広告の出稿費を調べると、おおよその目処がつきます。企業が発信できるものには、サイトコンテンツの他に広告もあり、中でもPPC広告はクリック数という市場の動向によって値段が決まる点でSEO対策の依頼費用と考え方が類似しているため、広告の1種であるPPC広告の単価を調べれば依頼費用の目安も立つ、ということです。
調べる方法としては、キーワードプランナーというツールを活用すると良いでしょう。
SEO対策の依頼費用を調べる方法の2つ目は、他の業者と比較する、という方法です。何社とも話をして見積もりを取る必要があるため手間はかかるものの、PPC広告と比較する方法と比べて依頼費用を誤差少なく把握できるのは間違いありません。
また何社も話を聞くことで、不当に費用を取る企業だったり、質の悪い企業を見極めることができる点でも、直接話す方が良いかもしれません。
SEO対策を業者に依頼する際検討すべきポイントの4つ目は、業者との契約体系です。契約体系には①成果報酬型と②固定報酬型の2つがあります。
まずは成果報酬型です。こちらは検索順位が10位以内に上がっている期間費用を支払う契約体系で、検索順位が上がらなかったら費用を支払わなくていい点が最大のメリットです。もちろん初期費用を支払う必要がありますが、それでも固定報酬型よりはリスクが少ないです。
しかし成果報酬型にもデメリットは存在します。
まず、本当に上位表示させたいキーワードを対策できない可能性があります。業者としても成果を出して収入を得たいので、企業にとって優良顧客を集められそうなキーワードよりも、順位を上げやすいキーワードを対策するのは当然でしょう。
また、業者のSEO対策以外の影響で検索順位が上昇した場合も報酬を支払う必要があるのもデメリットです。Googleアルゴリズム変動などで一時的に順位が上がっても、SEO業者が自分たちの手柄のように振る舞うことはよくあります。その際、報酬を支払わないといけないとなると、依頼する側としては納得感が薄いでしょう。
更に、業者の中にはあらかじめ順位を上げやすいキーワードと上げにくいキーワードの分別しておいて、上げにくいキーワードに関しては本腰を入れて対策をしないこともあります。業者からすれば効果が出やすいキーワードに注力したいと考えるのは当然であり、そのほかのキーワードに関してはほどほどに対策しておいて順位が上がったらラッキーだと考えているのです。このような状態では、本質的なSEO対策は見込めないため、依頼する業者が内心どのように考えているか探っておきましょう。
固定報酬型は、最初に半年〜2年程度の期間を決め、その間継続的にSEO対策を依頼する契約体系です。こちらは、どれほどキーワードが上位表示されても費用に変動がなく、予算の目処が立ちやすい点で魅力があります。一方で、効果が出なくても固定費用がかかる点はデメリットです。最悪の場合全く上位表示されなかったとしても費用を支払うことがあるため、どちらかというとリスクが大きいです。SEO環境の変化に対応し上位表示させ続けることの難しさを踏まえ、業者にその力量があるか見極めるようにしましょう。
では、優良なSEO業者を見極めるにはどうすれば良いのでしょうか。主な手法としては以下の2つになります。
1つ目は、いくつかの業者を比較する方法です。1社だけだとわかりにくいですが、数社比較すると、スキルや料金などに差があることがわかるでしょう。何社も話を聞くことによって、SEO対策の業界感覚を掴める点でも、数社比較はオススメです。
参照:京都でおすすめのSEO対策会社12社を特徴別に厳選
https://gc-seo.jp/journal/seo-kyoto/
2つ目は、口コミを見る方法です。近年はどの企業もSEO対策に興味を持っているため、依頼しようとしている業者には他にも顧客がいると思います。先顧客がどのように感じたかをネット上に口コミの形で残していた場合、それを確認することで、SEO業者と話しているだけでは気づけない部分を知ることができるのです。ただし、SEO業者との相性によっては口コミと違う結果になる可能性もあること、口コミの評価には常に偏りが生じていることには注意が必要です。
今回は、SEO対策を業者に依頼する場合に持っておくべき知識を解説しました。この記事を読んでSEO業者に依頼することに不安を感じられた方もいらっしゃるでしょう。もちろん業者に依頼することはそれなりのリスクを伴う行為ですが、かといって企業内で対処しようとしても自体が前進しないことが多いです。
本当にSEO対策を成功させたいなら、ある程度のリスクを覚悟した上で、そのリスクを最大限排除する動きを取るのが賢明です。そのために、いくつかの業者から話を聞く、話を聞く際は上手く言いくるめられずに確認すべきポイントを確実に押さえる、といった、自分たちを守るための知識武装が必要なのです。
この記事を読まれて、知識を備えたいと思われた方は、まずは体系的にSEO対策を学べる本から始めましょう。その後数社から話を聞いて、更にその中から何社か見積もりを取って比較する。このように慎重に検討することで、SEO対策の最高のパートナーを見つけてください。