2024/04/24
WEBサイトの集客において、SEO対策が重要な役割を果たすことは、このネット社会では欠かすことのできない施策のひとつです。
しかし、SEO対策は初心者にとっては難易度が高いと感じることも多く、また、何をしていいのかわからず、手が動かなくなっている新任担当者も少なくありません。
そこで今回は、SEOの施策のひとつである内部対策について、具体的な項目を挙げて解説することにします。
目次
SEOにおける内部対策は、ウェブサイトの検索エンジンに対する評価を上げるため、具体的な施策をもって改善し最適化することを指します。
その根幹となる施策は、主にクローリング、インデックス、ユーザビリティの改善です。
検索アルゴリズムを少しでも理解し、ウェブサイトの価値を高めるための経験やノウハウが求められます。
内部対策の目的は、
に繋げる施策を打つことです。
ウェブサイトのパフォーマンスを底上げし、多くのアクセスを生み、最終的にはゴール達成を目指すためには欠かせません。
冒頭で申し上げたように、SEOの内部対策の根幹は、
という3つの領域の改善です。
検索エンジンは定期的にアルゴリズムを更新しており、それに順応するようウェブサイトを調整、改善することが内部対策の目的でもあります。
次章から、クローリング、インデックス、ユーザビリティの具体的な施策項目について、ひとつずつ説明することにします。
クローリングとは、検索エンジンがウェブ上の情報を収集するプロセスの一部であり、ウェブサイトの構造やコンテンツの内容を、クローラーが適切に認識することを目的とします。
クローラーの情報収集が効率的になるような構造や設定になっているウェブサイトは、検索エンジンによる評価を高めます。
ゆえに、クローラーへの最適化のための具体的な手段として、
1.階層構造
2.XMLサイトマップ
3.パンくずリスト
4.内部リンク最適化
5.robots.txt
6.URL検査
の6つを挙げて解説します。
理想的な階層構造とは、トップページからディレクトリ、そして記事ページへと段階的に深く進んでいく、ピラミッド型を指します。
トップページはウェブサイト全体の概要または各記事の紹介、ディレクトリでは記事を分類、最下層には記事ページを配置といったように、各階層の意図がクローラーだけでなくユーザーにも理解が容易であることが重要です。
このユーザーの理解を容易にすることは、ユーザビリティにも寄与します。
知りたい情報に簡単にたどり着けるウェブサイト構造は、人間もクローラーも好まれます。
XMLサイトマップは、ウェブサイトや記事ページのURL、公開または更新日時、重要度などのデータがリスト形式で書かれたファイルです。
WordPressなどのCMSを利用していれば、「sitemap.xml」として自動生成されます。
このファイルをGoogle Search Consoleに登録することで、クロールを手助けする形になります。
ウェブサイトのインデックスにも影響するため、XMLサイトマップの送信は欠かせません。
クローリングの効率を向上させるための一つの方法が、パンくずリストです。
パンくずリストとは、ウェブサイトの階層構造を表示するナビゲーションツールのことで、通常、ウェブページのトップに配置されます。
ユーザーはウェブサイト内の位置関係を容易に把握することができますし、クローラーはパンくずリストを利用して、ウェブサイトの構造を理解を促すことで、ユーザビリティ向上と効率的なクローリングの両方に貢献します。
パンくずリストはいらないという声も散見されますが、トップページや上の階層に1クリックで移動できる利便性は無視できません。
内部リンクはクローラーの巡回経路を形成し、関連するウェブページを繋ぐことで関連性を示し、情報の整理整頓ができていると判断され、ウェブサイト全体の評価も向上します。
リンクを張るページの選択と配置、アンカーテキストの最適化など、考慮すべき要素も多いです。
記事数が多ければ内部リンクは複雑になりやすいため、適切な知識とノウハウ、経験が問われます。
クローラーに対して、ウェブサイト内のクローリングを制御し、命令するファイルが「robots.txt」です。
基本的にはルートディレクトリに置き、ユーザーデータや管理ページ、ログイン画面など、クローラーにインデックスさせたくないウェブページを指定します。
ただし、誤った書き方をすると、必要以上にインデックスが拒否されるリスクもあることから、以下の記事内にあるサンプルを参照して慎重に記述してください。
【SEO対策の基本3:クローラーとは?】Google検索のクローラーを理解する無料初心者ガイド2024年版 | 株式会社S-fleage (エスフレイジ)
URL検査はGoogle Search Consoleの機能のひとつで、指定したURLの検出、クロール、インデックスについて確認できるツールです。
1ページ(1URL)ずつの確認となりますが、クローリングの状況を知る手段としては、もっとも信頼性の高い方法でもあります。
インデックスが漏れているならば、「インデックス登録のリクエスト」の実行し、状況に応じて手を打つことになります。
インデックスとは、クローラーがウェブサイトの情報を把握し、データベースに保存するプロセスです。
ユーザーが特定のキーワードで検索した際に、関連性のあるウェブサイトを素早く表示することを可能にするため、重要なウェブページのインデックス状況の監視は、内部対策においては不可欠と言えます。
ゆえに、インデックスのプロセスに良い影響を与える、
1.URLの最適化
2.タイトルタグ
3.メタディスクリプションタグ
4.見出しタグ
5.noindexとnofollow
6.alt属性の設定
7.モバイルフレンドリー
の7つの項目についてお伝えします。
URLの正規化とは、同じコンテンツで異なるURLを、一つに統一することを指します。
具体的な例としては、
という、同一内容の異なるURLを、「301リダイレクト」「canonicalタグ」を用いて、一方に集約することです。
この正規化を行うことで、クローラーが重複した内容をクロールするムダな時間と、コピーコンテンツとして認識されることを防ぎます。
HTML要素である「<title>タグ(以降、タイトルタグ)」で、クローラーはウェブページの主題を把握することから、キーワードを含めることが内部施策の重要なポイントとなります。
タイトルタグは検索結果のアンカーテキストとして表示されるため、キーワードを用いた表現は、検索順位とクリック率の向上に繋がります。
ただし、キーワードの過度な詰め込みは、逆に評価を下げることもあるため、内容を示すキャッチコピーのような表現が最適です。
HTML要素の「<meta description>タグ(以降、メタディスクリプションタグ)」には、ウェブページの内容を短く要約した文章を記述し、検索結果ではスニペット(概要)として表示されます。
キーワードを適切に含めた導入文、さらに、どのようなベネフィットが得られるかを記述することで、クリック率の改善を図ります。
目安として160文字以内にまとめることが適切です。
ウェブページのコンテンツを構造化し、その内容を理解しやすくするためのHTML要素で、<h1>から<h6>までの6つのレベルがあります。
一般的には<h3>までに納める傾向であり、<h4>以下はあまり使用されません。
見出しタグによって主要なトピックが明確になり、ユーザーにとって読みやすいコンテンツの提供に役立ちます。
インデックスの適切な管理においては、noindexとnofollowという2つの指示の理解と適切な使用がカギです。
noindexとは、クローラーに対して特定のウェブページをインデックスしないよう指示するもので、nofollowは、リンク先のウェブページへのアクセスを制限するものです。
例えばユーザーログイン画面、プライバシーポリシーページなど、検索結果に表示する必要がないコンテンツに対してnoindexを設定します。
広告リンク、口コミ生成ページ、信頼性に不安のあるページに対してはnofollowを設定して、リンク先へ評価の流出を防ぎます。
alt属性とは、画像内容を説明するテキストの記述に用いるHTML属性で、「<img src=”画像URL” alt=”画像を説明するテキスト”>」で表します。
alt属性の設定で、クローラーは画像の意味を理解し、それに基づいてインデックスの判断をします。
商品やサービス、観光地など、視覚的な訴求が望ましい場合、画像検索への対応手段として有効です。
Googleは基本方針として、モバイルファーストインデックス(MFI)を掲げています。
実際に、Google検索セントラルでは、
インデックス登録とランキングでは、スマートフォンエージェントでクロールしたモバイル版のサイトコンテンツを優先的に使用
※モバイルファースト インデックスに関するおすすめの方法 | Google 検索セントラル
と明記しており、パソコン、タブレット、スマートフォンの各媒体に応じたデザイン、いわゆるモバイルフレンドリーなウェブサイトを、強く推奨していることが明白です。
インデックスだけでなく、ユーザビリティの観点からもモバイルフレンドリーであることは重要なものとなっています。
ユーザビリティとは、訪問者にとってウェブサイトの情報の明瞭性、ナビゲーションの簡便性、操作の直感性などを含めて使い勝手の良さを意味します。
高いユーザビリティを実現しているウェブサイトは、ユーザーにとって有用で価値あるものと見なされ、検索ランキング向上にも有効です。
この記事では、ユーザビリティ向上の施策について、数ある中でも、
を重視して取り上げることにします。
コアウェブバイタルは、Googleが提唱するウェブサイトのユーザビリティを測定する3つの指標です。
具体的には、
の3つを指します。
これらの指標を改善することで、ウェブサイトのユーザビリティは大幅に向上し、検索エンジンのランキングにも良い影響を及ぼします。
レスポンシブデザインとは、デバイスの種類や画面サイズに関係なく、ウェブサイトが適切に表示されるデザイン志向を指します。
スマートフォン、タブレット、パソコンなど、さまざまなデバイスに最適な表示形式を組み込むことで、ユーザーはいつでもどこでも快適にウェブサイトを利用することが可能になります。
利用のしやすさ、使い勝手の良さはユーザーの滞在時間を延ばし、リピート訪問を促すためには不可欠です。
SSLとはSecure Socket Layerの略で、インターネット上での情報の安全なやり取りを保証するための技術を指します。
具体的には、データの暗号化や改ざん防止、送信相手の確認などの機能を持つため、ユーザーの安心感に繋がり、GoogleもSSLの導入は検索ランキングの要素として考慮しているため重要な項目です。
SEOの目線だけでなくユーザー保護の観点から、もはやSSLは必須とも言えます。
リンク切れはユーザビリティを低下させ、ユーザーの離脱を引き起こすだけでなく、クローラーがウェブサイトの各ページを適切にインデックスできないリスクを高めます。
したがって、リンク切れの検出と修正は日ごろから重視すべき作業であると言えるため、メディアのプラットフォームがWordPressならば、「Broken Link Checker」というプラグインがおすすめです。
リンク切れの自動的検出、管理者への通知機能などがあり、効率的にリンク切れへの対応が可能となります。
SEOの内部対策は、ウェブサイトの成果を最大化するために避けては通れない、重要なSEOの施策のひとつです。
その施策の中心となるクローリング、インデックス、そしてユーザビリティについて、それぞれ実行すべき項目を挙げましたが、これらは相互に関連しています。
ゆえに、一部だけを改善しても、ウェブサイトのパフォーマンス全体の向上には至りません。
また、いつまでやればいいのかといった、時間による成果を期待して改善を続けることはナンセンスであり、Google Search ConsoleやGoogle Analytics、あるいは検索ランキングなどの数字を根拠にしたアプローチが望まれます。
検索アルゴリズムと歩調を合わせて内部対策を実施することが、SEO効果を最大化する鍵となります。